タランチュラ(仮)〈思い出日記シリーズ〉
タランチュラ(仮)
※フィクション含みます
私は虫が嫌いだ。虫には失礼だが、関節が多く動きが気持ち悪いから嫌いだ。
田舎の祖母の家に行くときどこかしら虫がいる。そのたびに恐怖が押し寄せてくる。その恐怖を倍増させるのが、田舎特有の虫が大きすぎるという事だ。まるでドラえもんのガリバートンネルにでも通ってきたのか思うぐらいだ。存在を消すために道具など使うが大きい為生命力が強すぎる。私も無益の殺生はしたくない為出来るだけ逃がすように努めるが、暴れて嫌になり絶叫しながらスプレーに頼り亡き者にしてしまう。
母と一緒に祖母のキッチンを掃除していた。まぁ虫が出る。私は怖がりながらも掃除をした。そして奴は突然やってきた。母の背後の棚の隙間から毛が生えたデカい蜘蛛が出た。そいつは母の方に向かっていった。私は叫んだ。「背後にタランチュラおるーーーーーーー!!!」。母が振り返る。母も驚き後退った。蜘蛛もそんな母に驚いたのか隙間に戻っていった。私は恐怖し、外に出てから母に叫んだのだ。今思うと、蜘蛛が本当にタランチュラだったらお母さんはなにかしらのダメージくらったかもしれない。名前も知らない奴は今も祖母の家に潜んでいるのだ。彼らはいつになったら出ていくのか、引っ越しする時にはぜひ挨拶をしていってほしいものだ。そうしたら私は安心してキッチンに近づけるのだから。