Marin7016’s diary

どうでもいいような日記が投稿されます。笑ったりしてくれたらうれしい限りです。ふじこふじこふじこ

恐ろしい女、母〈思い出日記シリーズ〉

 私の祖母は認知症であった。イラつくこともあれば、認知症ならではの面白いこともあった。

 私の祖母は認知症になってから益々食に執着を示した。元々食べることが好きで、糖尿病も併発していた。その為、ご飯を食べた数分後に「ご飯まだ?」と叫ぶ。また隠れて私に賄賂を渡しお菓子を買ってきてくれや自力でコンビニに行こうとしていた。幸いと言っていいかわからないが、足が不自由だったため徘徊せずによかった。そんな祖母と母はよく戦っていた。何回も続くご飯まだ攻撃に対し、母も負けじと大きい声で「もう食べたでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」と叫んでいた。もうちょっと優しく接してあげなよなんて思っている人もいるが、私たちにはそんな余裕はなく何時も口論になっていた。

 その日もご飯の催促があり口論になっていた。しかし、その日は面白い名言が出た。

母「ご飯は食べましたよ!!!!!}

祖母「嘘つけ!!!!わたしゃ、食べてない!!!!!」

  「もういい!!!!あんたがどうなろうと知らん!!!!(泣きながら)」

そして今もなお私の家族内でふざけて言う名言が出た。母に向かって祖母が

あんたは恐ろしい鬼のような女だよ

この言葉を聞いて瞬間、母は不覚にもゲラゲラ笑った。私も笑った。今はもう亡き者となっているが、私の家族の中では何かあるたびに「あんた恐ろしい女だよ」というのがブームになった。

 認知症の介護は大変だ。周りは介護に疲弊しているところもある。綺麗ごとではできない。しかし、認知症だからこそ予想もしないような言動で周りを楽しませることもある。そんな祖母を毎年思い出し、家族で笑っているのだ。