Marin7016’s diary

どうでもいいような日記が投稿されます。笑ったりしてくれたらうれしい限りです。ふじこふじこふじこ

獣になったペット〈思い出日記シリーズ〉

 私の飼っていたダックスフンドは臆病で初対面の人にビクビクしていた。その為、母の後ろによく隠れていた。しかし、触れ合えば懐き、むしろ見下すくらいになる。私と似て内弁慶な犬であった。

 そんな私の犬なのだが、一回だけ獣に目覚めた時があった。私が中学生の頃、登校時に母に車で送迎してもらえることになった。時間になると、友達も来る。この友達は犬を含め動物が怖いと感じる人だった。チャイムがなり、登校するためドアを開ける。その時も犬は後ろにいた。犬を外に出す予定はなく、通常であったら人を見たら引っ込んでいくかドアから出ないように徐々に狭めて閉めていく。しかし、その時は違った。友達が見た瞬間逃げたのだ。それを見た犬は獣の血が騒いだのだろう。狭い隙間から通り抜け友達を追いかけたのだ。あの臆病な犬がだ。私たちは一瞬あっけにとられたがすぐさま犬を追いかけた。他人から見たら、危ない光景であったであろう。その後は無事捕獲し、友達も無傷だった。

 マナーと友達には悪いが実に面白い光景であったと今は思う。犬があんなに獣になったのがあれで初めてで最後だったからだ。なんとも気高くまるで闘いに赴く戦士の顔つきだった。ともに学んだことが一つ。動物に対して背中を向けて逃げてはいけないということだ。臆病なものも相手が逃げ腰だと追ってくるのだ。なんとも恐ろしい。だからと言って戦えとは言わない。場合に合わせた対処をしよう。選択肢がないときは、逃げるか戦って死ぬかになる。人間は必ず死ぬ。死因がそれっだっただけのこと。皆様もぜお気をつけて。

 

※フィクションあります